仕事中の大発見
世を賑わしたSTAP細胞事件も、先週ようやく終息したようです。
論文撤回という形での幕切れ、
今回は残念な結果で終わってしまったSTAP細胞ですが、
もし、これが本物であれば、
税務上「職務発明」と呼ばれる発明に該当したと思われます。
「職務発明」とはすなわち、
会社側が費用を負担して行う研究により、従業員が行った発明等をいいます。
つまり、仕事中に大発見!をしたケースです。
例えばA大学の研究室で、B教授が特許を取得するような発明を行ったケース等、
STAP細胞も(本物であれば、)
理化学研究所の研究室で、小保方さん達がした職務発明だったということになります。
従業員の発明により、会社は特許を取得することができます。
仕事の一環での発明ですので、
従業員自らが特許を取得することはあまりありません。
特許は会社のモノになるわけです。
会社はその特許技術を利用してぼろ儲け。
従業員は相も変わらず、いつも通りのささやかなお給料だけ。
・・・それでは、さすがに不満が出てしまいます。
ということで、国は特許法という法律で、
会社は発明した従業員に対し「相当の対価」を支払うように!と規定しています。
発明は従業員が行ったものなのだから、
ちゃんとご褒美を払いましょう、そういう趣旨です。
なお、従業員には、受け取ったご褒美収入に所得税がかかりますが、
受け取るタイミグで計算の方法が変わり、
特許を受ける権利を会社に渡したときの収入は、長期譲渡所得
それ以降にライセンス料として受け取るものは、雑所得として計算されます。
ざっくり言いますと、
長期譲渡所得になると、税法上、税額が半分で済むように規定されており、
従業員側からすると割とお得(?)になります。
一方雑所得は、特に有利な規定が用意されていないので、そのまま課税されてしまいます。
ここ最近、知的財産権への意識の高まりから、
「相当の対価」の金額についての訴訟が多くなり、
また、その金額も大きくなってきています。
そうした時流に税法が追いつけていないとも言われており、
これからの法整備が注目されるところです。
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(記事・うすくら)
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