ビール税の見直し実現か??
24日、自民党税制調査会の野田毅会長が、
「酒税の見直しに着手する」旨を公明党税調幹部に伝えたそうです。
政権与党の自民・公明等の税制調査会が合意となれば、
来年平成27年度税制改正大綱に、
ビール税の見直しが盛り込まれる可能性が濃厚になってくると思われます。
ビールの代替品としては発泡酒が有名ですが、
近年の第三のビールなど、発泡酒よりもお手軽なビールテイスト飲料が増えています。
どれが一番好きかはさて置き、
次々開発される新しいテイスト飲料には酒税という税金が大きく絡んでいます。
そもそも何をもってビールとするか、
何が日本酒で、何が焼酎で、何がスピリッツなのか・・・
酒税法では、これらを製造方法などにより区分し、
お酒の種類ごとに税率を決めています。
「税金とお酒」は切っても切り離せない関係にある訳です。
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たとえば、現在350ml一缶あたりの酒税は、
ビール77円、発泡酒47円、第三のビール28円になっています。
これらの税額からも分かるように、
一本あたりの販売価格に占める税額はバカになりません。
価格競争に乗り遅れぬようメーカーは税負担の安い新酒開発に取り組み、
「同じ味なのに、違うお酒」を開発することで、節税を行っています。
ビールテイストなのにビールじゃない発泡酒、
次いで、発泡酒でもない第三のビールが登場した背景には税制の影響があります。
ちなみに、昔ビールっぽいお酒として
「ホッピー」が発売された理由の一つも税制の影響と言われています。
一方、酒税収入は国税総収入の3%にも相当するといわれておりますので、
国からすると酒税を諦めることはなかなかできません。
ビールの売上が落ちてくると酒税収入も落ちてきますので、
今度はその新酒にも増税を行ってきます。
増税されたらせっかく作った新テイスト飲料も値上げを余儀なくされてしまいます。
そこでメーカーはさらなる節税新酒の開発に取り組み・・・
逃げるメーカー、追う国のイタチごっこは続きます。
こうした、イタチごっこが続いている現在のビール業界ですが、
今回の野田税調会長の発言も、こうした歴史の繰り返しといえるでしょう。
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そもそもの税の考え方として、「租税の中立性」というものがあります。
「税金は市場競争に影響を与えてはいけない」という税の大原則です。
「本当はビールが飲みたいのに、酒税のせいで発泡酒で我慢する」
現在の状況は、大原則からすれば、たしかに歪んでいるのかもしれません。
こうした大義名分のもとで税制改正がなされれば、
恐らく発泡酒、第三のビールが増税となりそうです。
その一方、中立の観点から、ビールに関しては少し減税との噂もありますが、
詳しいところは蓋を開けて見ないとわかりません。
個人的には第三のビールも好きなので、増税には反対したいですが・・・
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(記事・うすくら)
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