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政治資金の闇と法人税

2014年10月28日(火)1:44 PM

政治資金問題で二人の大臣が同日辞任するという異例の事態、

 

前経済産相小渕優子氏と、前法相松島みどり氏の後任も即日決まりましたが、

 

経済産相の宮沢洋一氏にも怪しげな支出が・・・

 

大切な国会が滞らぬようお願いしたいところです。

 

内閣支持率が急落している中で消費税増税ができるのか注目です。

 

 

 

さて、こんな政治と金の問題、

 

法人税法の制度においても垣間見るところがあります。

 

すなわち、「使途秘匿金」といいまして、

 

企業から政治家等への違法献金を経費にしないため特殊な制度です。

 

(今回の政治問題とはやや趣旨が異なりますが・・・)

 

 

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そもそも、法人税の計算は、売上から経費を引いた儲けを算出し、

 

その儲けに対して税率を掛ける仕組みとなっていますが、

 

経費にできるかできないかは、基本的に、「事業に関係するかしないか」で判断されます。

 

 

 

事業に関係するなら経費事業に関係しないなら対象外へ、

 

これが基本ルールです。

 

例えば医院やお店の地代家賃、事務所スタッフのお給料などは

 

事業に関係しますので当然経費になります。

 

一方で、ご自宅の家賃や、お子様の教育費などは、

 

事業に関係ないので経費にならないわけです。

 

 

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さて、それを踏まえた上で「使途秘匿金」に話を戻しますが、

 

使途秘匿金とは、会社の支出のうち、相当の理由がないにもかかわらず、

 

相手方の氏名、所在地等、その支出理由を帳簿に記載していないものをいいます。

 

 

 

要するに「使途秘匿金」との文字通り、

 

使い道が秘密にされている出費です。

 

誰に、何のために使ったのか全て内緒の秘密経費、怪しい匂いがプンプンします。

 

 

 

そこで法人税法では、こうした使途秘匿金がある時は、

 

その金額を経費の額にできないこととしています。

 

たとえば1,000万円の売上があって、800万円の秘匿金がある場合、

 

1,000-800=残り200万円に対して法人税を課すのではなく、

 

1,000万円全体に法人税を課するというルールを設けています。

 

 

 

しかも、このルールのすごいところは、

 

使途秘匿金の金額に対して、さらに追加課税がされるというところです。

 

その額なんと40%

 

つまり、上の例の場合、800万×40%の320万円が追加で課税されます。

 

 

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そして、追い打ちをかけるように、地方税もこれに付随してきます。

 

地方税は法人税額に連動しますので、

 

地方税も合わせると、約90%の追加課税を受けることになります。

 

 

 

もちろん、税務調査で使途秘匿金が発見された場合には、

 

各種加算税の対象にもなりますので、

 

出費の100%以上の税金が課されることもございます。

 

以上のとおり、「バカらしいから、裏金なんてやめよう」と思ってくれればいいのですが、

 

政治と金の問題はなかなか無くなりそうにありません。

 

 

 

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(記事・うすくら)