日本医師会の税制改正要望2
先日、日本医師会が公表した
「平成27年度医療に関する税制改正要望」の全26項目。
前回のブログで、「消費税の還付請求を認めよ!」という記事を紹介しました。
今回は続いて、「がん検診と医療費控除」について紹介したいと思います。
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第二回 「がん検診は医療費控除対象外?!」
日本医師会要望では、
患者さんの健康予防に資するための改正要望も含まれておりました。
早期発見が何よりといわれる、がん。
国としてもがん検診の受診率向上を目指しているようですが、
実は、原則として、がん検診費用は医療費控除の対象となりません。
そもそも医療費控除とは、
病気になってしまって多額の医療費がかかった年において、
所得税や住民税を減額するための制度です。
イメージとしては、
お給料などの収入から医療費を引いた残りに対して
税率を掛ける仕組みになっています。
しかし、原則として、がん検診はこの医療費控除の対象とはなりません。
なぜなら、所得税法上、医療費とは
医師又は歯科医師による診療又は治療の対価等とされており、
要するに病気や怪我を治すための支出が医療費とされているためです。
そのため、がん検診や人間ドックなど、
何かを治療するわけではない支出は、医療費控除の対象にならないのです。
同様の理由で、風邪薬は控除の対象になりますが、
栄養ドリンクは控除の対象になりません。
しかし、がん検診や人間ドックなども、次の場合には医療費控除の対象となります。
すなわち、健康診断の結果、
重大な病気が発見され、その病気の治療を行った場合です。
この場合、治療に先立つ診察と同様に考えることができるので
その健康診断のための費用も、医療費控除の対象に含まれます。
なお、治療中の検査費用は、もちろん医療費となります。
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「病気が見つかったなら医療費控除の対象としていいですよ」
現在の医療費控除の制度はこうした考え方に立つわけですが、
がん対策基本法などの理念に沿えば、
がん検診への税制優遇措置が認められてもいいのかもしれません。
なお、がん検診は消費税の課税対象となりますので、
社会保険料報酬とは経理方法が異なってくることがあり、
医院の経理でも注意が必要な項目の一つです。
医院の税務・会計につきましては、
中田税理士事務所にお気軽にご連絡ください!
(記事・うすくら)
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