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外形標準課税の拡大決定か??

2014年10月07日(火)1:13 PM

税金には多くの種類があります。

 

例えば所得税や法人税は、儲けに課されるものですが、

 

消費税は、モノやサービスを使う、

 

つまり消費という事実に課されます。

 

相続税は、故人から資産を引き継いだ時に課されます。

 

固定資産税は、建物や土地を持っていれば課されますし、

 

不動産取得税は、それらを買った時に課されます。

 

 

 

もちろん全ての税金に、それぞれの趣旨はありますが、

 

「担税力のあるところに課税する」

 

これが根本的な考え方です。

 

 

 

「担税力」とは税金を払うパワーのことです。

 

パワーが有り余っている人、

 

平たく言えばお金がある人には税金を払ってもらう、

 

パワーが少ない人、

 

極端に言えば子供達はほとんど税金を払いません。

 

 

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担税力という面から見てみると、

 

儲けに対して課される所得税や法人税、

 

資産をもらった人に課される相続税などは

 

割と理解しやすい税金だと思います。

 

消費税や不動産所得税は、

 

「何か買えるお金があるなら、税金払うパワーもあるよね??」

 

という考え方によるものです。

 

 

 

 

少し話は逸れますが、

 

生活用品の消費税だけは軽減税率にしようという議論がありますが、

 

これも担税力を考慮したものと言えるでしょう。

 

「たしかに食品は買ったけど、生きるために買ったんだから、

 

税金を払うパワーがある訳ではないです・・・」

 

こういう趣旨から、議論が始まっています。

 

 

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さて、担税力という視点から法人課税を考えると、

 

「赤字の会社には、本当に担税力がないのか?」という疑問が出てきます。

 

儲けがないなら、パワーなどないかもしれません。

 

でも、本当にそうでしょうか・・・??

 

 

 

大企業で、売上も多額、いっぱい人を雇用していて、

 

自社ビルなんかも持っていて、

 

でも、最終的な損益は赤字のような大きい会社があった場合、

 

それでも本当に担税力がないといえるでしょうか?

 

 

 

そこで、考え出された比較的新しい税金が、「外形標準課税」です。

 

こちらは、事業所の床面積や、給料の支払い額、

 

資本金などをもとに課税されるものなので、

 

最終的に赤字であっても税金が発生します。

 

 

 

しかし、儲けがなくても課税するという考え方には

 

多くの批判があるのも事実です。

 

そこで、外形標準税は、

 

資本金1億円超の大企業にしか課されないことになっています。

 

中小企業には課されません。

 

 

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最近、法人税率の減税が勢いづいていますが、

 

その税収のマイナスを補填するために、

 

外形標準課税をもう少し拡大しようという流れがあります。

 

 

 

大企業からすると増税になりますので、

 

経団連は当初反対の意向を示していました。

 

しかし、先月19日、「中小企業を適用対象としないこと」などを条件に

 

課税拡大を容認する考えを表明しました。

 

経団連が容認の意向を示したことで、政府与党の勢いも増すものと思われます。

 

 

 

ただ、簡単には増税できない面もあります。

 

安部首相は「賃上げ」を企業に依頼していますが、

 

給料を多く払うと外形標準課税が増加します。

 

「国の政策に従ったのに増税される」

 

この仕組みには素直には賛同できない部分があるでしょう。

 

今後の税制改正に注目です。

 

 

 

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(記事・うすくら)