出口が重要です。
あるクリニックの先生から、
「仕事は最後の”出口”が大事だよ。」
と言われたことがあります。
当時は、意味がわからなかったのですが
今回の話の相談を受けると、少し意味が
わかってくるようになります。
今回は退職金についてご説明いたします。
退職金でよくあるのが、
退職後も非常勤役員に就任して会社に残ること。
(これを分掌変更による退職金の支給といいます。)
ただし、この退職金を支払った後も残る際には注意が必要です。
一般的に下記の要件を満たしていることが必要になります。
① 分掌変更の事実があること
・常勤役員が非常勤役員になること
・取締役が監査役になること
・概ね報酬の50%以上が、変更後減少すること
② 分掌変更後の報酬額が激減していること
こちらは、上記でのべた50%以上減少すれば必ずしも
OKということではないこと。
③ 分掌変更後に経営に関する主要な地位を引き継いでいないこと
具体的には下記の状態にしておくことが必要です。
・重要な会議に出席している痕跡残っていない。
・従業員に必要な指示を送っている痕跡残っていない。
・定期的に出社し、指示をしている痕跡残っていない。
・取引先との会議に出席している痕跡残っていない。
・取引先に代表者交代の周知している。
・会計上の意思決定を送っている痕跡残っていない。
さらに分掌変更した場合には、
原則、未払金計上は認められません。
平成24年3月27日裁決では、
「退任後も非常勤役員に残る場合などは、
通常の退職によらない例外的なもので
一括支給を原則として、いたずらに
適用範囲を広げない」
と、一括支給を原則としているようです。
ただし、原則であり、未払金(分割)も
認められるケースがあります。
認めれるには、次の要件満たすことです。
① 資金繰りの都合で一括支給できない。
上記裁決では、
・赤字決算回避を目的
・資金需要目的
とするものは、資金繰りの都合とはなりませんでした。
② 株主総会議事録、取締役会議事録総会議事録で
未払計上の理由踏まえて、支給額を確定させること
③ 退職金規定などの計算書で支給時期とその時期の
支給額をきめる。
また、未払金として長期に渡って
分割支給する場合には、退職金と
ならないケースや、
「退職年金」と扱われることもあります。
「退職年金」は、公的年金と同じ計算のため、
ほとんどの場合、通常の「退職所得」
より不利になります。
退職金は、理事長や社長のこれまで
頑張ってこられた最後の仕上げです。
ぜひとも問題なくゴールを迎えられる
ようにしたいです。
(郡司)
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