「平成26年度税制改正大綱」の発表
平成26年度税制改正大綱が発表されました。
主だったものは下記のとおりです。
法人課税
● 法人税の復興法人特別税の1年前倒し廃止
法人実効税率38%→35%
(H26年4月1日以後開始年度より)
● 復興特別所得税は、法人税から控除可能
● 大企業についても交際費(飲食に限る)の50%損金可能
中小法人は年800万円との選択適用
● 所得拡大税制の要件緩和
現行 給与等支給増加割合5%以上が要件
H26年4月1日以後開始年度 2%以上
H27年4月1日以後開始年度 3%以上
H28年4月1日~H30年3月31日開始年度 5%以上
● 生産性向上設備投資促進税制の新設
(機械装置、電気設備など一定の資産。
※資産は要確認)
取得価額までの特別償却
OR
取得価額5%の特別控除
個人所得課税
● 給与所得控除の上限引き下げ
現行 給与収入上限 1500万
給与所得控除の上限 245万
H28年 給与収入上限 1200万
給与所得控除の上限 230万
H29年 給与収入上限 1000万
給与所得控除の上限 220万
今後の生活に影響する議論
師走ですね。
年内に終わらしたい仕事がたくさんあるためか、
多くの方が走り回ります。
士も走ります。
国も忙しく走り回っているのでしょうか。
12月は、税制改正の大綱の発表予定です。
現在の主な決定や予定事項は次の通りです。
●復興特別法人税の1年前倒しの廃止(12/2与党税制協議で決定)
法人実効税率:38.01%→35.64%へ
●大企業にも交際費経費を拡充(12/3税制調査会で素案まとめ)
●消費税の10%引き上げ時の生活必需品の軽減税率導入(協議中)
今後の平成26年税制改正施行までの流れです。
12月下旬:税制改正大綱を発表
1月:税制改正要綱の発表
2月:法案上程(会議にかける)
3月:可決・決定
4月:施行(1部は1月よりさかのぼって施行もあり得ます)
となります。
注視しておきましょう。
また、それと合わせて、
2014年度は、2年に1度の診療報酬改定の年です。
12月:改定率が政府から公表
(この後2月までは各診療項目の点数を検討)
2月:中医協に答申(意見求めること)
4月:診療報酬改定
といった流れになります。
12月に政府で全体の改定率を決定します。
過去2年間は一応プラス改定でした。
(前回は0.004%ほど)
その後、2月まで各診療の点数を個別に決めていきます。
この診療の個別決定が重要になります。
たとえば、点数が高くついた診療については、
多くの病院が実施するため、
広く普及することがあります。
平成18年に導入された
患者7人に対して看護師1人の
「7対1入院基本料」の改定。
看護が手厚い病院については、
入院基本料に高い点数がつけられました。
そのため、病院はこの「7対1入院基本料」を
達成するために、看護師をこぞって採用しました。
結果、看護師不足を招き、
看護師の人件費増加、
紹介会社も多く誕生し、
手数料も増えて病院経営を圧迫しました。
超高齢化が進む中、診療報酬の改定は
今後の経済の動向も動かしかねないのです。
現在の診療報酬改定議論のまとめです。
(11/29 厚労省より)
その中では、
・急性期を脱した患者の受け皿となる病床の設置
・主治医機能の強化
・在宅医療の充実
といったことを積極的に進めていくようです。
消費税増税による負担増が医療機関にも
おそいかかる中で、プラス改定を求める医療機関。
財源が厳しい中で少しでも医療費を
抑えたい健康保険組合(国側)。
これまでは、増額改定(もしくはほぼ現状維持)で
すすんでおりました。
今回の改定がマイナスに進んだら・・
国側の主張が強くなったことを意味するのかもしれません。
ともすると、今後もマイナス改定が続くのではないか・・
今回の改定が、1つの分岐点になるのかもしれません。
医院 税理士なら、医療分野に詳しい
中田税理士事務所にご電話ください。
(郡司)
病院も好景気?!
企業の9割が「景気拡大」
朝日新聞の見出しです。
景気がよいと回答した経営者が
9割にのぼるそうです。
主要100社を対象にしたようですが、
大手企業がほとんどではないでしょうか。
中小企業はどうでしょうか。
いい方向にいっている会社と
悪い方向にいっている会社どちらが多いかと言われれば
悪い方向に行っている会社の割合の方が多いように思います。
もちろんアベノミクスの影響を多い受けている
会社もありますが・・
では病院はどうでしょうか。
景気に左右されず安定しているように思いますよね。
全日本病院協会が、10/28に「平成25年度 病院経営調査報告」
を公表しました。
http://www.ajha.or.jp/voice/pdf/keieichousa/131028_3.pdf
報告書では、22%の病院が赤字になっているようです。
5法人に1法人が赤字となっていると考えるか。
一般の会社が7割赤字と聞く中で、
2割程度の赤字で済んでいる医療はやはりよい。
と考えるかはそれぞれだと思います。
順調にいっている病院も多くありますが、
順調に見える病院も、医師や看護師の人材流出、
高額な設備投資などで、一歩間違えれば、
すぐに赤字会社に転落しかねないのです。
また、同データの下記点にも注目です。
・「従業員1人当たりの収入や付加価値(利益)や、
看護基準(看護師1人当たりの患者数)も増加傾向にあり、
従業員の負担は増している。」
人材不足が騒がれている中で、
在籍する職員の方の負担は増えており、
現場では、労働問題はもちろん、
メンタルケアの需要が高くなっています。
・「全体より、東京が例年通り悪化している。
(全体23%に対して、東京31%が赤字法人で悪化)」
地方とくらべ、東京は地価が高く、
新規の建設費や設備投資が高額になりますが、
一時的に赤字に陥っている法人も多く見受けます。
・「例年は診療報酬改定年は、収支が悪化し、翌年に持ち直すのが
今までの傾向でしたが、23年、25年は診療報酬がないにも関わらず
悪化を認めた。原因は明らかではない。
今後の診療報酬改定に留意する。」
と締めくくっております。
国は限られた財源の中で、医療の方向性を示していきます。
その手段として、診療報酬の改定があります。
10/22の財政審議会の分科会では、
診療報酬の増額改定に否定的な意見が多かったようです。
同データより、一概に病院が赤字になっているとは言えませんが、
今後の医療経営の流れをみるのには参考にはなるのではないでしょうか。
(同データは、回答した病院が、療養や精神を併設したりと
通常の形態とかわる法人も含まれます。
また、今年度は調査数が大幅に増えており
昨年度との比較検証が必要となるので注意してください)
景気の「気」は、気分や気持ちとよくいいます。
まずは、「景気がよい!」と思うことが、
好景気への第1歩なのかもしれません。
医院 税理士なら、医療分野に詳しい
中田税理士事務所にご電話ください。
(郡司)
医療費の負担がかわる?!
TPPでアメリカが「混合診療の全面解禁を要求」という
ニュースをみました
混合診療の解禁で
私たちの生活はどうかわるのでしょうか。
現在保険診療の自己負担額は1~3割程度。
保険外診療は、全額自己負担となります。
混合診療は、保険診療と保険外診療を合わせた診療をいいます。
現在日本では、この混合診療は、原則禁止されています。
なぜ禁止されているかというと、
① 国で認められた保険診療と、
不確実な保険外診療を合わせて行う診療は、
安全性が確保できない。
② 保険外診療を助長しかねない
(保険診療でも対処できるのに)
といった理由があります。
この禁止されている混合診療を受診してしまうと、
保険診療も含めて全額自己負担となってしまいます。
患者さんは、保険診療と保険外診療の
どちらかを選ぶことになっているわけです。
しかし、国でまだ認められていない
保険外診療には、リスクは残るが
高度で新しい医療も含まれております。
病状が進行している患者さんは
リスクはあるがこの新しい先進的な医療を
受けたいと思うに違いありません。
そこで国が認めた「先進医療」については、
この混合医療を例外的に認めているのです。
先進医療は、保険診療と保険外診療の
併用を認めるため、保険診療部分について、
1割~3割の自己負担となります。
そのため、患者さんの負担が軽くなるのです。
ここまでみると混合診療の解禁は、
喜ばしいように思います。
では混合診療の解禁による不都合は何か。
それは、混合診療が解禁されてしまうと、
保険外診療が、半永久的に自己負担となってしまうことです。
これまでは、保険外診療については、国が認めた場合には
保険診療となり、負担が軽くなっていました。
しかし、混合診療解禁によって、保険診療と保険外診療が
区分けされてしまい、保険外診療が保険診療にかわるのが
難しくなってしまいます。
長い目でみた場合に、不利益になりかねないのです。
「お金持ちしか高度な医療を受けられない。」
といわれるのもこの高度な「先進医療」が、負担が重い
保険外診療でしか受けられないためです。
混合診療の解禁も考えようですね。
また、最近は、「先進医療」に備えて、
保険に加入されることも多く見受けられます。
一般には「先進医療特約」で技術料相当額が保障されます。
保険加入の際に注意したい点は、
・1保険会社で、特約は1人1特約となっています。
・特約内容が、がん保険に限定されていることがあり、すべて治療に
対応していないこともあります。
・先進医療のすべてが対象となっているわけではなく、
厚労省で認定をうけた病院、治療が対象となります。
・厚労省で認定うけた先進医療は、日々かわるため、
契約時で、先進医療だったものが医療を受ける時点で、
先進医療じゃない可能性があります。
(保険対象は、医療受けた時点)
詳細は、保険会社によく確認するようにしてください。
もちろん先進医療も確定申告時の医療費控除となります。
領収書は大切に保管しておきましょう。
医療 税理士をお探しの方は、
港区の税理士、中田税理士事務所に気軽にご相談ください。
(郡司)
出口が重要です。
あるクリニックの先生から、
「仕事は最後の”出口”が大事だよ。」
と言われたことがあります。
当時は、意味がわからなかったのですが
今回の話の相談を受けると、少し意味が
わかってくるようになります。
今回は退職金についてご説明いたします。
退職金でよくあるのが、
退職後も非常勤役員に就任して会社に残ること。
(これを分掌変更による退職金の支給といいます。)
ただし、この退職金を支払った後も残る際には注意が必要です。
一般的に下記の要件を満たしていることが必要になります。
① 分掌変更の事実があること
・常勤役員が非常勤役員になること
・取締役が監査役になること
・概ね報酬の50%以上が、変更後減少すること
② 分掌変更後の報酬額が激減していること
こちらは、上記でのべた50%以上減少すれば必ずしも
OKということではないこと。
③ 分掌変更後に経営に関する主要な地位を引き継いでいないこと
具体的には下記の状態にしておくことが必要です。
・重要な会議に出席している痕跡残っていない。
・従業員に必要な指示を送っている痕跡残っていない。
・定期的に出社し、指示をしている痕跡残っていない。
・取引先との会議に出席している痕跡残っていない。
・取引先に代表者交代の周知している。
・会計上の意思決定を送っている痕跡残っていない。
さらに分掌変更した場合には、
原則、未払金計上は認められません。
平成24年3月27日裁決では、
「退任後も非常勤役員に残る場合などは、
通常の退職によらない例外的なもので
一括支給を原則として、いたずらに
適用範囲を広げない」
と、一括支給を原則としているようです。
ただし、原則であり、未払金(分割)も
認められるケースがあります。
認めれるには、次の要件満たすことです。
① 資金繰りの都合で一括支給できない。
上記裁決では、
・赤字決算回避を目的
・資金需要目的
とするものは、資金繰りの都合とはなりませんでした。
② 株主総会議事録、取締役会議事録総会議事録で
未払計上の理由踏まえて、支給額を確定させること
③ 退職金規定などの計算書で支給時期とその時期の
支給額をきめる。
また、未払金として長期に渡って
分割支給する場合には、退職金と
ならないケースや、
「退職年金」と扱われることもあります。
「退職年金」は、公的年金と同じ計算のため、
ほとんどの場合、通常の「退職所得」
より不利になります。
退職金は、理事長や社長のこれまで
頑張ってこられた最後の仕上げです。
ぜひとも問題なくゴールを迎えられる
ようにしたいです。
(郡司)
増税という名の風
台風も去り、秋晴れが続いております。
ヨーロッパでは、暴風で人が飛ばされている
映像が流れておりました。
俗にいう爆弾低気圧です。
(「急速に発展する低気圧」というようです)
速度が速く「急速に発展する」点で
予測が難しいため、
台風より爆弾低気圧の方が怖いんだとか。
東京でも2004年に、40mを超える風
の爆弾低気圧が発生したとか。
(東京で40m級の暴風は過去2回!)
今年は2004年の気候や条件と合致しているので
注意が必要なようです。
過去の経験を分析し、未来に生かすのが大事ですね。
税金の世界でも、増税の風がふいています。
みなさんご存知の消費税はもちろん。
富裕層の方も、平成27年から増税になります。
個人所得税は、課税所得4000万超は、
最高税率55%(住民税込)
相続税も財産6億超は、最高税率55%となります。
半分以上もっていかれてしまうわけです。
「富裕層が日本からいなくなってもしかたない」
とエイベックスの社長もコメントしているとおり、
海外への移住の話も最近よくでてきます。
ただ、過去の所得税の最高税率(住民税込)
をみてみると、、
昭和49年~ 93%
昭和59年~ 88%
昭和62年~ 78%
昭和63年~ 76%
平成1年~ 65%
平成11年~ 50%
平成27年~ 55%(NEW)
と、よくぞ私を育ててくれました!
おじいちゃん、おとうさん!
とさけんでしまうような高税率!
現在まで右肩下がりできていたものの
再来年から再度上昇!
これから高額所得者にも予測不可能な
増税がせまってくるのかもしれません。
節税の望んでいる方は、港区の税理士、
中田税理士事務所にお任せください。
30分無料で税務相談を行います。
(郡司)
確定申告
今年も確定申告の時期がきました!
いつもどおりパンフレットの写真です。
確定申告のコーナーもすごい検索されていました。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/
明日は、ほぼ始発の新幹線で、出張なので確定申告の
話は後日にします。
来月の3月7日(木)にお医者様、医療機関の方々を
集めたセミナーをやりますので、
その告知も後日します。
セミナーのテーマはずばり、
1部 『 生前贈与を活用した相続対策 』
2部 『 医療法人の財務改善策 』
です。
先日の税制改正をふまえた内容で、
1部が、 個人の相続税増税の対応、
2部が、 医院の理事長先生の給料増税の対応
について、ご説明する2時間です。
それにしても、今週は
インフルエンザで休みすぎたので、
たまった仕事をしなくてはなりません。
明日以降のブログで他のお話は報告します。
医療、税理士なら医療法人化に詳しい
港区の中田税理士事務所にお電話ください。
相談会の後の打合せ
最近はセミナーを追いこす勢いで、
相談会が増えています
( 多くのご依頼ありがとうございます )
中でも、ご相談が多いのが医院を後継者の
先生へ引継ぐ場合の 医療税務 のお話です。
やはり、相続税の増税の方向が出たこと、
消費税の増税がほぼ決まり、 ヤバい という
お考えの方が増えているからです。
そこで、1つご提案。
税理士に頼んで何とか
①なるもの と、 ②ならないもの
があります。
何とかならないものも事前に対応しておけば、
何とかなるものも多いです。
ぜひ、前向きに対策してみてください。
特に、
承継問題を解消するための 医療税務
には時間がかかりますので、お早目に
ご決断をいただく必要があります。
写真は、相談会の後の主催者と
ご相談者との食事会です。
いろいろなご相談があり、
私の知識が経験になる貴重な時間です。
お食事もおいしくて、貴重な時間でした。
中田税理士事務所では、 医院の承継 のご相談を
承っています。
無料面談もありますので、お気軽にご連絡ください。
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